穴ぐらダイアリー

読んで字の如く。

キムチは偉い

まだ梅雨明けはしていないが、急激に暑くなってきた。


もはや「暑い」って言葉では追いつかないレベル………。
こんな時、年中暑い国に住む人々のことを考えてみるが、それこそ想像が追いつかない。
100年前とも単純な比較にならないほど苛烈化する気象状況。いったいどんな風に、現代の殺人級熱波をやり過ごしているのだろう?


自然の恩恵と同時に脅威も享受せねば、生物は地球上に生きてゆけない。
ゴ●●リとは遺伝子レベルでは兄弟なはずだが?人間はあんな風には強靭に進化して生き延びられないと、たかだか体温を少し超えた程度の暑さにすら萎れてしまう己の脆弱さにガックリとする😓


話はガラッとかわり、このところチヂミをよく作る。
気温が上がるにつれ、冷蔵庫の中に保存していても、寒い時期ほどには保たなくなる。
数日に一度は冷蔵庫整理をかねて作るのがチヂミだ。
キャベツでも紫蘇でもゴーヤでも海苔でもなんでも、ちょっと残っていたおかずとかも入れてしまう。
野菜だけの時がほとんどで、たまにツナの残りやちりめんじゃこ、ミートソースやチーズが入る時もあるが、とにかく具は少ないよりたっぷりと入れている。
なんでもありの具材を一つにまとめ上げる役割を果たすのが、キムチ。交響楽団の指揮者のように、キムチがそれぞれの個性を殺すことなく、渾然一体のハーモニーへと導いてくれる。
なんて素敵なんだ、キムチ✨✨


最初は生地のほうが少なく思えても、恐れずwに混ぜ込んでゆく。
そうして油を熱しなじませたフライパン一面に広げたら、強火で焼く。
しっかり焼き色がついたら、蓋か皿にでもスライドさせてエイヤッとひっくり返す。
そしてヘラなどでぎゅうぎゅう押し付けて下面もこんがり焼き付ける。途中、ごま油少々を鍋肌から流して仕上げの香りと焦げ目をつけたら完成。


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ある日、残っていたキムチをたまたまチヂミに入れて作ってみて、その主張していないのに効果絶大なところに驚いた。(私は感激屋)

鬼のように入れたさまざまなチョップド野菜などに紛れ込んだ刻みキムチは、決して目立たないながら、発酵食品としての旨味によって具材と生地とを完全に結びつけている。どっちにも溶けこんでいる上、辛さや癖を主張してこないので、キムチが入っているとはパッと分からないかも知れない。
が、入れてなければこのバランスは出ないと個人的には思う。

チヂミには、酢醤油や辛いタレを添えているレシピも多いが、私はキムチのいいアシストぶりを味わうには、何も付けないのが一番好きだ。

子供の頃はご飯の友だったが、今ではそれ以外の食べ方ばかり。時間がたった酸味の強く出てきたものは、牛すじなどの脂っこい素材と煮ると素晴らしい。


冷蔵庫にあると心強い調味料として、どんな素材も上手にまとめてくれるキムチは偉い。
今年の冬は寒さで甘く大きく太った白菜で、キムチを漬けてみようか!と、想像のなかで涼を取りつつ、厳しさが早くも予想されるこの夏、身も心も発酵力で乗り切ろう。