穴ぐらダイアリー

読んで字の如く。

酒とつまみ2

卵黄タレ漬け


卵が冷蔵庫に二個。お菓子の買い置きが切れたので何か作ろうと思い立つ。
水切りヨーグルトで軽いチーズケーキもどきを作るのに、卵白のみ一個余分に欲しくて、余った黄身の使い途。


まず卵一個を殻のまま凍らせる。

凍ったのを出して室温に放置。

しばらくして割ってみると、半シャーベット状の白身に卵黄が包まれている。そのままもう少し溶けるまで放置。

この間にタレを作る。
濃口醤油とみりんを同割りに空き瓶などに入れて混ぜておく。

卵黄だけ取り出し、タレに漬ける。
(卵白はこのあと固く泡立ててケーキに使った)

半日くらい浸すとちょうど味もしみて、見た目金柑甘煮みたいなねっとり濃厚な卵黄になる。切り分けても黄身がいい感じに固まっている。


今夜は1人あたり二分の一個を四等分して笹かまにオン。シンプルながら濃厚だから、バランスとしてはそのくらいがちょうどいい。
お酒は何でも。ちびちびアテだから、純米酒や中辛の白ワインに特に合う。
そういえば温泉卵を真ん中に盛ったポテサラが、チェーンの居酒屋メニューにあった。
ひとり分の小鉢か小皿に、あれば青紫蘇かピーラーで削ぎ切りした胡瓜を敷きポテサラをこんもりと盛り付ける。仕上げに半割りのタレ漬け卵黄をのせて出せば、小料理屋の突出し風になる。クラッカーにクリームチーズか安いカマンベールとのせたら、…もう説明は不要。


お酒のアテでなくても、ご飯の友にも良いし(熱々ご飯に冷たいバターと卵黄、好みでもみ海苔or黒胡椒というのも背徳的な美味)、ツナなどと合わせてサラダやサンドイッチの具にしてもいい。
卵黄レシピは味噌漬けなど色々あるが、漬け床の手軽さはこれが一番のように思う。
残った同割りタレは何度か漬けられるし、後は煮物や生姜焼きなどの料理に使いまわせる。


一個だけ残った卵も分けてそれぞれに使うと、目玉焼きにするより人数分行き渡るご馳走になって、大いに得した気分。


あるものでちまちまと工夫して食材を食べ尽くす。実験みたいな面もあるし、無くても代用出来る発見があったりする。
これもステイホームで得た「小確幸」だ。
村上春樹さんがずっと前に書かれたエッセイに出てきて初めて知った言葉だが、春樹さんの造語だろうか?
「小さいが、確かな幸せ」
庶民の幸せとは、自分だけのささやかな充足(自己満足ともいう)の積み重ねが、明日への希望を支えているのかもしれない。