穴ぐらダイアリー

読んで字の如く。

贅沢

居間の窓の外に、大きな銀木犀の木が植わっている。後ろのご隠居邸の庭木だ。
ふだんはひとけのない家だが、定期的に草刈りや手を入れているので、立派な庭木がどれも元気に長生きしている。

気温もちょうど良く気持ちよく穏やかな晴れが続く秋の今頃、開けた窓から香りが流れ込む。それで花が咲いたと気づくくらい、大木のわりには楚々とした小さな花が点々と見える。

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毎年この時期、ほんの短い間だけの天然のアロマテラピー。お茶する時も読書するのもパソコンに向かったり、アイロンかけなど家事する時にも、この窓の前に何もかも持ってきて過ごしている。
難聴になりそうだった蝉の鳴声に代わり、鳥のさえずりや、下草の秋の虫の音が一日中聴こえる。五感を使って心が、精神が鎮まる。贅沢この上ない。

秋が歳を経るごとに好きになった。
ご隠居さん、ありがとう✨